働き方改革推進支援助成金のご案内

毎年、国の政策に合わせて多くの助成金が、改廃・創設されています。本稿ではその中で、中小企業が業務を効率化し、労働時間の短縮などの措置を行った際に助成される厚生労働省の「働き方改革推進支援助成金」をピックアップして、その概要をご紹介します。

1.業務効率化の必要性

 中小企業では、労働力不足の流れも受けて人材不足が顕著となっています。加えて、働き方改革関連法による時間外労働の上限規制の導入や、年5日の年次有給休暇の確実な取得などの法改正が施行された背景もあり、限られた労働人材を有効活用し、技術革新を取り入れながら、業務効率化を図り生産性を高めていく必要性は、ますます高まっていくことでしょう。

また、政府は、令和3年度厚生労働白書で「過重労働解消に向けた取り組みの促進」を目標の一つとして掲げています。そのための施策である「働き方改革推進支援助成金」は、労働時間の縮減等、過重労働を解消するための方法の一つとして、生産性の向上にフォーカスし、研修や機器導入などを行って環境整備に取り組む中小企業事業主への支援を目的としています。

2.働き方改革推進支援助成金の概要

働き方改革推進支援助成金は、過重労働を解消するための施策ごとにコースが分かれています。その施策を実施するとともに、生産性の向上に向けた取り組みを実施し、改善の結果を示すことで、成果目標の達成状況に応じた助成額が支給される仕組みとなっています。それぞれのコースにおける施策と共通の取り組み内容は次の通りです。

■過重労働を解消するための施策

労働時間短縮・年休促進支援コース

時間外・休日労働時間数を縮減し、月60時間以下、または月60時間を超え月80時間以下に上限を設定する、または、「年次有給休暇の計画的付与」「時間単位の年次有給休暇制度」「特定の特別休暇制度」のいずれかを導入する

勤務間インターバル導入コース

休息時間数が「9時間以上11時間未満」または「11時間以上」の勤務間インターバルを導入し、定着を図る

労働時間適正管理推進コース

新たに勤怠(労働時間)管理と賃金計算等をリンクさせ、賃金台帳等を作成・管理・保存できるような統合管理ITシステムを用いた労働時間管理方法を採用する

■助成対象となる取り組み

・労務管理担当者に対する研修

・労働者に対する研修、周知・啓発

・外部専門家(社会保険労務士、中小企業診断士など)によるコンサルティング

・就業規則・労使協定等の作成・変更 ・人材確保に向けた取組

・労務管理用ソフトウェアの導入・更新

・労務管理用機器の導入・更新

・デジタル式運行記録計(デジタコ)の導入・更新

・労働能率の増進に資する設備・機器等の導入・更新(小売業のPOS装置、自動車修理業の自動車リフト、運送業の洗車機など)

例えば、業務上の無駄な作業を見直したいが、どのようにしたら良いか分からないという課題に対して、助成内容となっている外部の専門家によるコンサルティングを実施、効率的な業務体制を構築し、結果生産性が向上します。これにより各施策を実施する余地をつくり、各施策を実施することにより、取り組みの実施に要した経費の一部が助成されるという流れとなります。

本助成金は、事前の申請が必要となります。どのコースとも、受付は2022年11月30日(水)までとなっておりますので、ご留意ください。

3.さいごに

この助成金のほかに、生産性の向上により労働条件等の改善を図る助成金としては、生産性向上に資する設備投資等を行うとともに、事業場内で最も低い労働者の賃金(事業場内最低賃金)を引き上げることで助成される「業務改善助成金」が設けられています。

自社の生産性や労働環境を見直して、改善の余地があるようなら、本稿の助成金の活用も検討しながら、施策を進めてみてはいかがでしょうか。

 記事投稿日: 2022年05月24日
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