【11】紹介予定派遣後に入社した社員が年休の権利を取得するのはいつ?

【 Question】

紹介予定派遣で受け入れていた派遣労働者ですが、最終的に本採用を決定しました。最長6カ月の期間フルに派遣として働いてもらったので、入社後すぐに年休を付与する必要があるでしょうか。当社では、法律どおり、6ヶ月8割勤務で10日の年休を与える規定です。

 

【Answer】

~派遣期間は通算せず~

紹介予定派遣とは、契約終了後に会社と労働者が直接雇用を結ぶ予定で派遣をスタートさせるものです。本採用前の試用期間という意味合いもあるので、事前面接も可能とされていますが、「6ヶ月を超えて受入れができない」という制限があります(派遣業務取扱要領)。

紹介予定派遣であっても、派遣であることに変わりはありません。派遣労働者と雇用関係にあるのは派遣元事業主で、派遣先との間には指揮命令関係が存在するだけです。ですから、就労場所は貴社ですが、6ヶ月働いたことにより年休付与の義務を負うのは、派遣元事業主ということになります。

貴社は、派遣終了後、正社員等として受け入れたのち、貴社の就業規則に従って、年休を付与すれば法的に足ります。法律の原則どおり、6ヶ月の付与という規定であれば、6ヶ月後に初めて付与の義務が生じます。

ただし、派遣労働者との間で、特約を定める分には差し支えありません。紹介予定派遣の場合、契約を結ぶ際に、「紹介予定派遣に関する事項」についても記載します。

その記載事項の中に、「紹介予定派遣を経て派遣先が雇用する場合に、年次有給休暇及び退職金の取り扱いについて、労働者派遣の期間を勤務時間に含めて参入する場合はその旨」が挙げられています。

ですから、派遣の期間も貴社の労働時間として働いたとみなして、入社直後に、年休を与える取り扱いとすることも可能です。そうした優遇措置を講じるのも有力な選択肢です。ただし、もちろん、義務ではありません。

(2010年7月)

 

 記事投稿日: 2015年07月07日
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