【02】フレックスタイム制を採用すれば従業員はいつでも休憩に入れるか
【 Question】
当社はフレックスタイム制を採用していますが、休憩時間は午後0時から1時間で固定されています。「フレックス」の趣旨からいえば、何時から休憩するかも従業員の決定にゆだねるべきという意見がありますが、どうなのでしょうか。
【Answer】
~一斉付与の対象から除外を~
休憩時間は、基本的には一斉に与えなければなりません(労基法第34条第2項)。一斉付与の単位は、作業場単位ではなく、事業場単位と解されています。(昭22・9・13基発第17号)。
一つの事業場内で通常の労働時間制で働く従業員とフレックスタイム制の従業員が混在する場合には、もちろん、休憩時間を統一する必要があります。
全従業員にフレックスタイム制が適用されている事業場でも、特段の定めがない限り一斉付与が本来あるべき姿です。フレックスタイム制は、「始業及び終業の時刻を労働者の決定にゆだねる」と規定されていますが、休憩時間に関する特例はありません(労基法第32条の3)。休憩時間は、「コアタイム中に定める」(昭63・3・14基発第150号)のが原則となります。
しかし、休憩の一斉付与には例外があります。第1は事業の種類に基づくもので、運送業、商業、金融・保険業、映画の製作等の事業、郵便業、医療・保健衛生業、旅館・飲食店業、観光署の事業については、適用が除外されています(労基則第31条)。
第2は、労使協定に基づくものです。過半数労組(ないときは過半数代表者)と協定を結べば、一斉付与が義務付けられる事業でも、休憩をずらせて与えることができます。協定では、「一斉に休憩を与えない労働者の範囲及び当該労働者に対する与え方」を定めます(労基則第15条)。
フレックスタイム制の場合、輪番制で休憩を与えることもできますが、「各日の休憩時間の長さを定め、それを取る時間帯は労働者にゆだねる」ことも可能とされています(全掲通達)。
(2010年1月)
記事投稿日: 2015年07月04日
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