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給与計算業務は、従業員の生活に直結する非常に重要な業務であり、間違えを起こしてしまうと従業員から会社に対する不信感を持たれる恐れがあります。そのため、毎月発生する業務の中でも特に『正確さ・迅速さ』が要求されます。
しかし、給与計算に関連する法律は、
労働基準法
雇用保険法
健康保険法
厚生年金保険法
所得税法 等・・・
と非常に数多くあり、これらの法律は頻繁に改正が行われますので、常に最新の情報に気を配らなければなりません。
具体的には、数多くのポイントを押さえておく必要があります。代表的なものとして2つ挙げてみましょう。
健康保険
健康保険料は平成20年10月以降、事業を行う主体が政府管掌健康保険から『全国健康保険協会』へと変更となり、平成21年9月から都道府県支部ごとの事業の収支によって保険料率が増減することになりました。今後は頻繁に変更されることが予想され、注意が必要です。
介護保険
介護保険料は、近年では「3月分」から変更されていますが、変更月については特に規定はないため、常に法改正に気をつけておく必要があります。
厚生年金保険
厚生年金保険料の料率は、現段階では平成16年から平成29年にかけて、毎年少しずつ引き上げられることになっています。引き上げる時期は毎年「9月分」からです。
社会保険料は『翌月控除』ですので、例えば「9月分」の保険料は10月末までに支払うことになっています。よって、それに合わせて社会保険から請求や引き落としが行われます。会社によって給料の〆日や支払日が異なりますから、
「ウチの会社の場合だと、○○日支払いの給料で控除する保険料が、△△月分になるんだな」
ということを頭に入れながら、更に従業員の入退社の日付等を確認した上で、保険料の引き忘れや引き間違いがないように注意する必要があります。
割増率
原則として、1日8時間以上、1週40時間以上の労働については、労働基準法により割増賃金を支払う義務があります。更に、深夜労働や休日労働についても割増賃金は発生し、具体的には以下のような割増率となっています。
法定労働時間を超えた場合 125%・・・(A)
深夜労働の場合 125%・・・(B)
休日労働の場合 135%・・・(C)
法定労働時間を超え、なお且つ深夜労働や休日労働となった場合等、上記の条件が重なると割増率が二重に加わることとになり、
(A)+(B)の場合 150%
(A)+(C)の場合 160%
(B)+(C)の場合 160%
として計算することになります。
これに加え、平成22年4月1日以降に施行される改正労働基準法によると、月間60時間を超えて行った時間外労働について以下のように読み替える必要があり、注意が必要です。
法定労働時間を超えた場合 125% ⇒ 150%
(上記以外にも、平成22年の改正は多くの注意点があります)
割増賃金の計算の基礎となる賃金について
割増賃金を計算するに当たって必要になってくるのが、計算の基礎となる『1時間あたりの算定基礎額』です。いわゆる時間単価と呼ばれるもので、これが定まっていないことには割増賃金を計算することができません。
給料の内訳を見てみると、会社によって様々な「○○手当」といったものが含まれていると思いますが、これらを全て時間単価の算定の基礎に加えてはいないでしょうか?
法律では算定の基礎額を求める際に、以下の7種類の賃金に関しては割増賃金の計算の基礎に参入しなくてもよいとしています。
(1)家族手当
(2)通勤手当
(3)別居手当
(4)子女教育手当
(5)住宅手当
(6)臨時に支払われた賃金
(7)1ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金
これらの賃金が算定の基礎から除外されるのは、労働との直接的な関係が薄く、個人的事情に基づいて支払われる賃金であると考えられるからです。
ただし、上記と同じ名前だからといって一律に算定の基礎から除外してよいというわけではありません!
例えば(1)の『家族手当』という名目で支給されていても、独身者を含めた全従業員に支給されている場合などは算定の基礎から除外することはできませんし、(5)の『住宅手当』であれば「住宅に要する費用に応じて算定される」という条件を満たす必要があります。また、『作業手当』や『手術手当』といった特定の作業に従事する時間や回数に応じて支給されるものが上記(6)や(7)に該当するのかについては、これまでの行政解釈を基にして、個別の事例に応じて考える必要があります。
いかがでしょうか?ポイントを2つ挙げただけでも、このように複雑で悩ましい問題が潜んでいることが判っていただけたかと思います。特に、労働基準法関連の問題については、労働基準監督署から是正勧告を出されることもありますし、まれに賃金や保険料を払いすぎていることもあるかもしれません。
これらの賃金が算定の基礎から除外されるのは、労働との直接的な関係が薄く、個人的事情に基づいて支払われる賃金であると考えられるからです。
さらに、上記のポイントは一部に過ぎず、この他にも雇用保険料の本人負担分の料率、社会保険料の随時改定や育児休業等による保険料免除、所得税の源泉徴収、住民税の特別徴収等、頭を悩ませるポイントは数多くあります。
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頻繁に行われる社会保険や税金等の法改正にも確実に対応した、正確な給与計算を行うことができます。また、給与計算と密接に関連する労務管理の方法は様々で、お客様毎に異なる為に柔軟な対応が必要となりますが、当事務所では労務管理についてのご相談にも随時対応致します。
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