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労働条件通知書のモデル様式が改正されたと聞きます。従来、通知書の末尾に置かれていた「契約の更新の有無」欄が、前方の「契約期間」の欄中に移動していますが、配列の変更にどのような意味があるのでしょうか。
今後、当社でも新しいフォームを使わないと、何か不都合が生じるのでしょうか。
〜必要事項網羅すれば可〜
使用者は、労働契約の締結に際し、労働条件を明示する義務を負います(労基法第15条)。明示すべき事項およびその方法は、労基則第5条に列挙されています。
労働契約法が改定され、平成25年4月1日から施行されますが、これに合わせ、労基則第5条も一部修正されています。
第5条に基づく明示事項は「書面によるもの」と「それ以外のもの」に分かれますが、このうち改正があったのは前者です。改正後(平成25年4月1日施行)の「書面による明示事項」は次のとおりです。
1号 労働契約の期間
1号の2 期間契約の更新の基準
1号の3 就業場所・従事業務
2号 始就業時刻、所定外労働の有無、休憩・休日・休暇等
3号 賃金の決定・計算・支払の方法、締結・支払の時期
4号 退職(解雇含む)の事由
新たに「1号の2 期間契約の更新の基準」が追加されています。
更新の基準については、従来、労基則第5条で定める労働条件通知書の明示事項に含まれていませんでしたが、「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準」(平15・厚労省告示第357号)で明示するよう求めていました(必ずしも書面による必要なし)。
厚労省が作成・周知しているモデル労働条件通知書では、以前から、「更新の基準」についても、書式の末尾に記載する形となっていました。これは「法を上回る配置」ですから、記載しなかったとしても法律違反とはいえません。
しかし、平成25年4月1日以降は、「必ず書面で明示すべき事項」に格上げされます。これに伴い、通知書内の記載位置も、「労働契約の期間」欄に一括されています。
ただし、労働条件の明示に関しては「書面の様式は自由である」(平11.1.29基発第45号)と解されているので、法定事項がすべて網羅されていれば厚労省の新しいモデル様式を用いる必要はありません。
自社独自様式を用いていて、これまで「更新の基準」の記載欄がなかった場合、追加しないと法違反になります。罰則は、30万円以下の罰金と規定されています
ただし、「更新の基準」を記載する必要があるのは、「期間の定めのある」場合に限られます。正社員等であれば、関係ありません。
ちなみに、古い(平成22年3月以前の)モデル様式を使っている場合、「月60時間超の時間外割増率」を記載する欄が設けられていません。この機会に、最新の様式にバージョン・アップされてはいかがでしょうか。
(2013年2月)
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