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子会社の整理を進めるため、他のグループ会社への転籍手続きを進めています。そこで嘱託社員の1人について、質問があります。
この社員は、60歳を過ぎてから当社に転職してきたという経緯があり、現在は雇用保険の高年齢再就職給付金を受給中です。転籍すると、給付金はどうなるのでしょうか。
〜元の資格で申請が可能〜
厚生年金の支給開始年齢が引き上げられる中、高年齢者の就業率アップは、国家的課題となっています。雇用保険では、高年齢雇用継続給付を支給することにより、高年齢者の就労を側面からサポートしています。
高年齢雇用継続給付には、高年齢雇用継続基本給付金と、高年齢再就職給付金の2種類があります。お尋ねにあるのは、このうち後者の方です。
高年齢再就職給付金は、離職して基本手当の受給資格者となった人が、60愛到達後、離職時の賃金の75%未満で再就職した場合に、支給されます(雇保法第61条の2)。
ただし、離職時に基本手当の算定基礎機関(被保険者であった期間)が5年以上あり、かつ基本手当の支給を受けたことがある方に限られます。基本手当の支給を受けたことのない人は、「再就職」であっても、原則として高年齢雇用継続基本給付金の対象となります。
再就職給付金の支給日数は、次の通りです。
・基本手当の支給残日数が200日以上
⇒2年
・同100日以上200日未満
⇒1年
支給残日数が100日未満のときは、再就職給付金は支給されません。
お尋ねの方は、貴社を退職し、取引先に転籍するので、形のうえでは「再々就職」となります。この場合、引き続き再就職給付金(再々就職給付金?)を受け取れるのか、受け取れるとしてその期間はどうなるのか、という疑問が生じます。
一般的に言えば、再々就職の場合、2つのパターンが考えられます。第1は、次の就職先が決まらないままに離職するパターンです。離職者はハローワークに求職の申し込みをし、基本手当を受給しつつ、次の就職先を探します。この人が、再就職後、高年齢再就職給付金の支給申請をしようとしても、「離職時に基本手当の算定基礎機関(被保険者であった期間)が5年以上ある」という要件を満たさないので、受給権を得られません。
第2は、次の就職先が決まっているパターンで、お尋ねの転籍もこちらに含まれます。離職者は、ハローワークに求職の申し込みをする必要がありません。
高年齢雇用継続基本給付の申請書の注意書きでは、「既に再就職給付の受給資格の確認を受けた者であって、その支給期間中に再就職した者は、改めて受給資格確認は不要」と記載してあります。転籍により勤め先が変わっても、従来の資格に基づき、従来の条件で引き続き給付を受けることができます。
(2012年12月)
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