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監視・断続業務に就く守衛等の場合、法定労働時間を超えて労働させても時間外割増を支払う必要がありません。勤務時間が長くても、賃金は安いのが一般的です。そうした監視・断続業務従事者であっても、時給に換算して、最低賃金以上の賃金を支払わないと違反になるのでしょうか。
〜都道府県労働局へ申請を〜
労基法第41条では、次の3種類の労働者については、労働時間、休憩、休日に関する規定を適用しないと定めています。
@農水畜産業
A管理監督者
B監視・断続労働従事者
ただし、Bに限っては、労基署の許可が条件となっています。
許可を受ければ、守衛等については、1日8時間、1週40時間を超えて労働させても、割増賃金の支払いを要しません。しかし、監視・断続労働従事者であっても無制限に働かせることはできず、通常は所定労働時間が定められています。ですから、時間当たりの賃金単価を算出できます。
最低賃金は、原則として、事業場で働く常用・臨時・パートタイマーなどすべての労働者に適用され、環指・断続労働者も例外ではありません(以前は、適用除外の申請が可能でしたが、平成21年に廃止)。
ただし、現在は、適用除外に代わり、「減額の特例」を申請する仕組みが設けられています(最低賃金法第7条)。申請者は所轄労基署を経由して、都道府県労働局長宛てに提出します。申請様式は労働者の種類によって異なっていて、断続的労働従事者の場合、第5号様式を用います。
月給制の場合、通常は次の算式に従って時間当たり単価を計算し、それを地域別最低賃金額(時給表示)等と比較します。
(月給 × 12ヵ月) ÷ (年間所定労働日数 × 1日の所定労働日数)
しかし、断続労働の場合、都道府県労働局長の許可を受ければ、適用する最低賃金額を一定範囲で引き下げることができます。具体的には、手待ち時間(所定労働時間から実作業時間を除いた時間)については、最低賃金の100%ではなく60%相当を保障すればよいと規定されています(最賃法施行規則第5条)。逆にいえば、40%の部分については最低賃金の減額が可能です。ですから、「減額率(%)」の算定式は次の通りとなります。
所定労働時間 = A
実作業時間 = B
とすると、
減額率 = (A−B) × 0.4 ÷ A × 100
モデル例として、所定労働時間が10時間、実作業時間が4時間だったとすると、
減額率 = (10−4) × 0.4 ÷ 10 × 100 = 24%
最低賃金が700円の場合、減額できる上限は、
700円 × 24% = 168円
ですから、減額後の最低賃金額は、
700円 − 168円 = 532円
となります。
(2011年1月)
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