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近く、嘱託契約を終了する従業員がいます。当社では契約を更新せず、他社就職の当てもありません。しかし、知り合いの会社で、10日ほどアルバイトしないかという話があります。10日程度なら、雇用保険の失業給付(基本手当)の受給に影響しないと思うのですが、いかがでしょうか。
〜受給期間が先延ばしに〜
65歳に達して退職した人は、高年齢求職者給付金(一時金)の対象になります。それ以前に退職した人は、60歳代でも、一般の離職者同様、基本手当の支給を申請することになります。お尋ねの方は、基本手当の対象になるとして話を進めます。
嘱託として3年以上働いていて、契約更新がなされないときは、特定受給資格者になります。それ未満で雇止めになったとき(本人が更新を希望した場合に限ります)は、特定理由離職者になります。また、雇止めによる離職ですから、3ヶ月の給付制限はありません。ハローワーク(公共職業安定所)に求職の申し込みをし、7日の待期期間が経過すれば基本手当を受給できます。
お尋ねの方が求職の申し込み以前に、10日間のアルバイトに従事すれば、まだ失業給付を受けられる以前の状態ですから、基本手当への影響はありません。
ただし、求職申込みを先延ばししていると、支給期間(原則1年)が経過して、手当をもらえなくなる可能性があるので注意が必要です。
求職の申し込みをしてから、アルバイトを開始したら、どうなるのでしょうか。短期のアルバイトなら、賃金と基本手当の両方を手にすることができるのでしょうか。
まず、待期期間ですが、「失業している日が7日間」に達して、初めて期間満了となります。「失業」とは、労働の意思と能力があるにも関わらず、職業に就くことができない状態をいいます(雇用保険法第4条)。内職については、「4時間未満」が許容範囲で、それを超えると失業状態にあるとみなされません。
そうなると、アルバイト(1日4時間以上)している期間中は、待期期間が満了していないので、基本手当の受給が遅れることになります。
次に、待期期間が終了してから、アルバイトを始めたとします。1日4時間未満なら、失業とみなされますが、基本手当の減額調整の対象になります(雇用保険法第19条)。
4時間以上なら、失業と認定されません。ただし、短期の就労の場合、就業手当の支給を受けることができます。ただし、基本手当の残日数が所定給付日数の45日以上、かつ3分の1以上なければいけません。
就業手当の額は、原則として基本手当日額の30%程度です。就業手当が支払われると、基本手当の残日数がその日数分だけ減ります。ですから、差し引き70%相当額の受給権は失われてしまいます。
アルバイトに従事すれば、基本手当の満額併給はできないという結論になります。
(2010年8月)
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