【助成金】採用後に障害を負った労働者への支援に関する助成金について

mark_kurumaisu1近年、障害者を雇用する企業が増加しています。平成27年の民間企業における雇用障害者数は約45万3千人で、前年より約2万2千人増加しており、雇用障害者数、実雇用率ともに過去最高を更新しています。
そして、5年ごとに厚生労働省が実施する「障害者雇用実態調査」において、平成25年度に公表された内容によると、「障害者となった時点別」での割合は、事業所の「採用前が71.1%」「採用後が27.1%」と、勤めている途中で病気や事故により障害を負った方(以下、「中途障害者」)が、実に3割程度を占めています。
今回は、中途障害者に対して職場復帰を支援した際に受給できる助成金をご紹介します。

【障害者職場復帰支援助成金】 

事故や難病の発症による中途障害などで、長期の休職を余儀なくされた労働者に対して、職場復帰のために必要な職場適応の措置を行った事業主に助成されます。

 

  • 受給の要件

次の1~4すべてに当てはまる労働者を、職場適応の措置を行って職場復帰させた場合に支給されます。

1.「職場復帰の日」に、下記のいずれかに該当する方

・身体障害者

・精神障害者(発達障害のみの方は対象外)

・難治性疾患のある方

・高次脳機能障害のある方

2.指定の医師の意見書において、3か月以上の療養のための休職が必要とされた方

3.障害者総合支援法に基づく、就労継続支援A型事業所の利用者として雇用されない方

4.国などの委託事業費から人件費が支払われていない方

 

※その他、一定の要件あり。

  • 対象となる職場適応の措置

次の1~3のいずれかの措置をとる必要があります。

1.職場復帰にあたり50時間以上の訓練(OJTを除く)を本人に無料で受講させること

2.医師の指示に従って労働時間を調整すること、通院のための特別休暇を付与すること、本人の同意の下で親族などと同居するために勤務地を変更すること

3.障害者の就労支援に関する専門家の援助や医師の意見書を踏まえ、職務開発や支援機器の導入などを行うこと

※対象労働者が、そう病・うつ病に該当する場合は、1~3のいずれかの措置に加えて、医師と本人の同意の下、就労に関する作業支援や集団指導、個別カウンセリングを含む支援計画に基づくリワーク支援を、1ヵ月以上実施する必要があります。

 

  • 助成額

対象労働者1人につき、6ヵ月ごとに2期に分けて助成されます。
大企業…50万円(第1期 25万円、第2期 25万円)
中小企業…70万円(第1期 35万円、第2期 35万円)

 

  • 受給までの主な流れ

事故の発生や難病の発症などで、労働者が3か月以上、療養のため休職

①対象となる職場適応の措置を開始

②労働局またはハローワークに「受給資格認定申請書」等を提出

③受給資格の認定後、労働局またはハローワークに「支給申請書」等を提出

④助成金の受給

 

4月から、改正「障害者雇用促進法」や「障害者差別解消法」が施行されました。また一億総活躍社会の実現に向けた取り組みも相まって、不慮の事故等により中途障害者となった方も、職場において希望が叶い能力が発揮できる環境創りが求められます。
自社の従業員が中途障害という困難に陥った際に、雇用を守る一助として、本助成金を記憶に留め、ご活用いただければ幸いです。

 記事投稿日: 2016年07月21日
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