【63】障害年金の受給権者が結婚した場合も配偶者加給年金額の対象になるのか?

【 Question】

当社で働く障害者が、近々、結婚することになりました。色々とパンフレットを調べてみると、障害厚生年金には配偶者加給年金が加算されるようです。この障害者も、申請すれば、加給額の加算対象になるのでしょうか。

 

【Answer】

~資格取得時に限らない~

障害厚生年金の加給年金額は、厚年法第50条の2に規定されていますが、平成23年4月1日から、改正が実施されます。新い条文は、「障害等級1・2級の障害厚生年金の額は、生計を維持している65歳未満の配偶者があるときは、加給年金額を加算した額とする」というものです。従来は、「その権利を取得した当時、生計を維持していた65歳未満の配偶者があるとき」と規定されていました。

従来は、障害を負い、その認定当時に結婚していない(配偶者がいない)と、加給年金額の対象になりませんでした。しかし、平成23年4月1日以降は、「受給権発生時に婚姻により配偶者等を有し、その配偶者との間で生計維持関係がある場合にも、加給年金額の加算を行う」ことになりました(平22・9・14年発0914号第1号)。

ただし、注意が必要な点があります。まず、第1に貴社で働く障害者の障害等級を確認してください。配偶者加給年金額の対象になるのは、障害等級1・2級に限られ、3級は対象になりません。

第2に、「生計維持関係にある」か否かもチェックする必要があります。障害者の方ですから、1人で家計全部を維持するのは難しいので、共働きとなる可能性が高いでしょう。

ただし、共働きでも一定条件を満たせば、生計維持関係が認められます。その要件は老齢厚生年金等の「生計維持」と同様で、ハードル自体は高くありません。次の通りです。

①住民票上同一世帯に属しているなど、生計が同一であると認められること
②将来にわたって年収が850万円未満であること

(2011年4月)

 記事投稿日: 2015年07月23日
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